情報発信・啓発事業

刊行物

「中国地域白書」

中国地域白書2023 人々の希望と地域選択 -中国地域の次世代のために-

NO
-
刊行年月
2023年6月
頒価
2,200円(税込)
在庫
あり

【概要】

今回の中国地域白書2023のテーマは「定住と移住」です。総務省「住民基本台帳人口移動報告」で都道府県の転入超過数(日本人と外国人の計)をみると、直近の2022年は中国地域5県のすべてで転出超過となりました。とりわけ広島県は都道府県の中で最も転出超過数が多かったとして、マスコミでも大きく取り上げられました。コロナ禍で若干緩和されたとはいえ東京圏への一極集中は依然として高い水準で続いており、出生率の低下も相まって、中国地域を含めた地方圏の人口減少は深刻な事態に直面しているといえます。
 こうした状況を踏まえ、本白書では人々の定住や移住という行動は、人々が希望を実現させるための手段の1つではないかという仮説を設定しました。人口移動の状況を年齢別にみると、10歳代後半から30歳代のウエイトが圧倒的に高く、大学進学や就職など人生の節目における地域選択の影響が大きいことがわかります。中国地域白書ではこれまで「出生率」(2020)や「関係人口」(2021)をテーマとして取り上げ、人々の主体的かつ自律的な行動との関係に着目して分析してきました。そして、今回取り上げる定住や移住も、出生率や関係人口と同様に人々の希望と深く関わっているのではないかと考えました。人々の「希望の形成と実現」の観点からアプローチして実効性のある施策につなげるにはどうすればよいか、ということが基本的な問題意識です。
 本白書では、人々の定住・移住にかかる希望や実現の把握、行動要因の分析等を行うため、中国地域および大都市圏に定住している中国地域出身者を対象として、約5800のサンプルサイズの意識調査を実施しました。人々の地域選択における「希望」や「実現」について定量的な評価を試みたことが本白書の特徴の1つです。なお、定住人口や移住人口は、出生人口や関係人口と同様に地域の持続のために必要な人たちであることを示すため、サブタイトルは前々回、前回と同じ「中国地域の次世代のために」を踏襲しています。
 
『中国地域白書2023 人々の希望と地域選択 -中国地域の次世代のために-』概要

【目次】

序章 定住・移住を分析するねらい
1. 定住と移住にアプローチする問題意識
2. 人々の定住と移住の選択状況
3. 近年の社会動態と「希望」との関係
4. 構成
第1章 社会動態と定住政策の推移 ~地方の大都市圏等への人口移動の問題はなぜ解消できないのか~
第1節 地域ブロック別、都道府県別等の社会動態の長期推移の分析
第2節 国の定住政策および移住促進政策の整理
第3節 まとめ
第2章 ライフステージの選択と地域選択 ~希望の構造化に取り組む~
第1節 分析の目的と利用するデータ
第2節 希望の構造分析
第3節 定住・移住の希望に関わる地域差
第4節 定住・移住に関わる希望の実現
第3章 地域選択の希望の形成要因と実現条件 ~どのような地域特性が「希望」に影響を及ぼすのか~
第1節 地域選択における希望の形成要因
第2節 地域特性と希望の形成
第3節 就業を通じた希望の形成と潜在的希望
第4章 ライフイベントの選択と転出・Uターン ~人々の人生の歩み方の可視化~
第1節 ライフイベントの選択
第2節 ライフイベント別の転出とUターン
第3節 地域別にみた転出とUターン
第5章 中国地域等の定住・移住施策のケーススタディ ~中国地域5県および全国の先進的な取り組み~
第1節 中国地域5県の定住・移住の取り組み
第2節 中国地域市町村の定住・移住で注目される取り組み
第3節 定住・移住で全国的に注目される取り組み
第6章 施策へのアプローチ ~「希望の形成と実現」のための施策形成の方法論~
第1節 施策アプローチの考え方
第2節 施策アプローチの検討
第3節 ケーススタディによる検討
第4節 結びに代えて

センターの事業

調査・研究事業
受託調査
自主調査研究
実現化事業
研究開発・事業化支援事業
交流会・事業化検討会
新産業創出研究会
質感色感研究会
国等の研究開発支援事業
ビジネスマッチング交流会
情報発信・啓発事業
中国創研定期講演会
刊行物
表彰事業
公設試験研究機関功績者表彰