情報発信・啓発事業
刊行物
季刊「中国創研」
エリアマネジメントのこれまでとこれから
- NO
- No.86
- 刊行年月
- 2019年3月
- 頒価
- 1,320円(税込)
- 在庫
- あり
【概要】
地域が主体となってまちづくりを進める「エリアマネジメント」という取り組みがあります。特にこの数年、さまざまな場面でこの「エリアマネジメント」という言葉を耳にするようになりました。2018年5月に広島市内で行われた「全国エリアマネジメントネットワークシンポジウム2018 in Hiroshima」では、全国から約600人の参加があるなど、全国的に大きな盛り上がりをみせています。
エリアマネジメントは、これまでのまちづくりと異なり、「まちを育てること」に主眼をおいた取り組みであり、行政主導でなく地域自らが主体となって取り組むことが特徴です。これにより、従来の行政サービスでは得られにくい、地区全体の価値創造や、資産価値の増大などの効果が期待でき、地区の持続的な発展につながる取り組みとして注目されています。
こうした取り組みが注目され、実践する団体が増えていることの要因のひとつとして、事業者が地域に目を向け始めていることが考えられます。人口減少や地域間競争の激化など、社会経済環境が変化する中で、自分たちのいる地域の価値を高めることが、自分たちの事業の継続・発展につながると考える事業者が増えているのではないでしょうか。
一方で、エリアマネジメントの課題も顕在化してきています。エリアマネジメントを実践する団体の多くが、財源や人材の確保に苦慮しているのが現状です。エリアマネジメントが一過性の盛り上がりでなく、持続的に発展していくために、こうした課題を解決する仕組みづくりを官民が一体となって進めて行くことが求められています。
また、エリアマネジメントの新たな分野への展開もみられます。これまで、エリアマネジメントはにぎわいづくりや環境整備を主な目的とした活動が中心でしたが、防災や不動産管理、人づくりなどの活動を行う団体もみられるようになり、今後もさまざまな分野への展開が期待されます。
こうした観点から、本特集では、エリアマネジメントの意義やエリアマネジメントがもたらす効果、エリアマネジメントが直面している課題、将来への期待などについて、さまざまな立場から論考していただき、エリアマネジメントの「これまで」を振り返るとともに、エリアマネジメントの「これから」を考えます。【吉田】
【目次】
- エリアマネジメントの到達点と今後の課題
- 保井美樹
法政大学 現代福祉学部・人間社会研究科 教授 - 官民協働と地域の力 -札幌駅前通地区のエリアマネジメント-
- 白鳥健志
札幌駅前通まちづくり株式会社 代表取締役社長 - 広島都心再生においてエリアマネジメントに期待する役割
- 山中佑太
株式会社荒谷建設コンサルタント 地域価値共創センター 主任 - エキキタにおけるエリアマネジメントの可能性
- 宇山 穂
復建調査設計株式会社 社会デザイン創発センター 副センター長、エキキタまちづくり会議事務局 - 広島駅周辺地区まちづくり協議会の「これまで」と「これから」
- 吉田 実
公益財団法人中国地域創造研究センター 地域づくりグループ 主任研究員、広島駅周辺地区まちづくり協議会事務局