情報発信・啓発事業

刊行物

季刊「中国総研」

医療機器産業を創出する連携と協働

NO
No.71
刊行年月
2015年6月
頒価
1,200円(税別)
在庫
あり

【概要】

わが国が世界に誇る社会資産の一つに長寿社会の実現があります。衛生的な生活環境、多様な日本食文化、病院・救急医療システム、健康保険制度などとともに、わが国の長寿社会を支えているのが高度な医療技術です。そして、この医療技術を「道具」として支えているのが医療機器であり、近年、低侵襲医療や個別化医療を中心に革新が進んでいます。また、診療効果の面だけでなく、経済性や使い勝手、医療従事者の負担軽減や業務効率アップ、患者の快適性向上などの面からも改良が進められています。国の成長戦略においても、健康寿命の延伸に着目した健康・医療・介護関連の市場創出が第一のテーマに掲げられており、医療機器は戦略分野の一つとして位置づけられています。

 医療機器は多種多様な技術の複合体です。電子工学や放射線学などの科学技術に加え、精密機械部品、特殊金属加工、樹脂成形、表面処理、金型設計・製造といったものづくり技術も重要な構成要素となっています。医療機器のイノベーションには、自動車や産業用機械などの異分野で培った技術・ノウハウの導入・活用が有効であり、医療機器メーカー側からも求められています。一方、地域では基幹産業の成熟化を背景に、自社の技術を成長分野に応用展開したい、人に役立つ事業で社会に貢献したいといった志を持つ企業による医療機器分野への新規参入も活発化しています。異分野の優れた技術・ノウハウを取り込みたい医療機器メーカー側と、既存の産業集積を生かして新たな成長分野を見いだしたい地域側の方向性は一致しているといえます。

 しかし、医療機器産業での新規参入や製品開発においては、さまざまなハードルが存在し、売上に結びつくような実績がなかなか上げられていないのも事実です。製品の開発・製造・販売は「医薬品医療機器等法」の規制下で行わなければならず、そのためには相応の知識や時間、コストが必要です。また、医療機器の最終ユーザーは医師や看護師といった「医療の専門家」であり、一般のものづくり企業との間には大きな知識差が存在することから、開発が“言いなり”になってしまいやすい、そもそもそうした医療従事者にアクセスしてニーズを把握すること自体が困難といった問題もあります。従前より行われてきた「医工連携」はこうした問題に十分対処できてきたとはいえず、せっかくの開発成果が事業化や販売に至らないケースも多く見受けられました。

 こうした中、地域の多様な技術・ノウハウを結集し、医療現場へ新たな価値を届けるために、開発・製造・臨床・薬事・販売などで従来の枠組みを超えた連携と協働を進め、よりスムーズに、より確実に事業成果に結びつけようという取り組みが全国で活発化しています。本特集では、そうした挑戦を「医療機器産業を創出する連携と協働」と表現しました。今回は、医療機器産業創出に挑戦する医療機器メーカー、地域ものづくり企業、行政、支援機関・コーディネーターの方々に論考をお寄せいただき、それぞれの立場から取り組みや課題を検討いただきました。【細木】

【目次】

次世代の医療機器開発を目指して-医療機器メーカーの視点より-
株式会社ジェイ・エム・エス 中央研究所 研究管理室・実験室・デザイン包装室 室長 中川宜明
ひろしま医療関連産業クラスター形成へのチャレンジ
広島県商工労働局 医工連携推進部長 多田稔
DNAチップの開発と医療分野への新規参入
東洋鋼鈑株式会社 事業推進室 バイオチップ事業グループ グループリーダー 岡村浩
仏つくって『魂』入れず症候群
地方独立行政法人山口県産業技術センター イノベーション推進センター 医療関連推進チーム プロジェクトプロデューサー 安田研一
これまでの医工連携 これからの連携ロードマップ
株式会社フジタ医科器械 代表取締役社長 前多宏信
ものづくり企業と製販企業との連携・協働に向けて-製販ドリブンモデルの最新動向-
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ 理事 柏野聡彦
医療機器関連産業の地域連携による集積強化-中国地域および東京・本郷地区の集積特性を踏まえて-
公益社団法人中国地方総合研究センター 地域経済研究部 主任研究員 細木康広
[報告]中国地域の「観光イノベーション」シンポジウム報告
主催/公益社団法人中国地方総合研究センター

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